【離婚と公正証書】 どうして離婚で公正証書を作るのか?
1.離婚では公正証書が利用される
公証人にお聞きしたお話しによれば、最近、公正証書が利用されることが多いのは、離婚と遺言だそうです。ある公証人は、「ここ数年、年のはじめに作る公正証書は、離婚に関する公正証書なんですよ。」とお話しでした。
離婚のときには、色々な約束がされることがあります。
お子さんがいると、親権者のこと、養育費のこと、面会交流のこと。
また、財産分与、慰謝料、年金分割・・・。
このような、離婚のときの約束を、口約束で済ませますか?
単なる口約束では、後で「言った。」「言わない。」というトラブルになるのは目に見えているはずです。
そこで、書類を作って残そうとします。ご自分たちで作っても良いですし、私たち行政書士がご依頼を受けてお作りすることもあります。離婚協議書と言われる契約書です。「言った。」「言わない。」というトラブルを防止のためにも、ルール作りのためにも意味があります。
でも、それよりも効力の強い書類があるのです。それが、公証役場で執務する法律の専門家である公証人が作成する公正証書です。
公正証書は、日本で最高の契約書。 離婚のときにも利用されています。
2.公正証書の強い効力
公正証書が持つ強い効力というのは、特に金銭の支払いについて言えます。少し、詳しくご説明しましょう。
未成年のお子さんがいるご夫婦が離婚するときには、「養育費として、月々○万円支払う。」というように、養育費の支払いについて約束がされます。 養育費を受け取る方としては、きちんと支払ってもらわなければ困ります(「困ります」以上のことですね・・・時によっては、死活問題ですから。)。
このような養育費の支払いを含む約束について、公正証書を作成できれば、もし、養育費の不払いがあったときには、公正証書を根拠として、強制執行が可能になるのです。つまり、裁判所という国家機関を利用して、元の夫(元の妻)の財産から強制的に養育費を払わせることが可能になるということです。
そして、養育費については、平成16年から新たな制度が始まりました(改正民事執行法)。例えば、元の夫が、養育費の支払いを怠ったときには、元の妻は、毎月の養育費のために将来の給料も差押えることができ、言わば、給料から天引きで養育費を受け取るのと同じことが出来るようになりました。
ここに、離婚の際に公正証書が利用される最大の理由があるます。
そして、以上のように公正証書には強い効力がありますから、養育費を支払う者としては、強制執行されないように養育費の支払いをしなければならないと心理的に強制されます。その結果、契約が守られることに繋がるのです。これは、公正証書が持つ強い効力に付随したメリットです。
(公正証書は、公証役場で作ります。東京には多くの公証役場がありますが、写メは、東京都立川市にある立川公証役場です。)
3.財産分与や慰謝料の支払い
離婚では、養育費の支払いのほかにも、金銭の支払いがされる場合があります。財産分与や慰謝料の支払いです。
財産分与は、主に夫婦が協力して築いた財産を、離婚の際に清算するものですが、この財産の清算に際しては、金銭の支払いが問題となることもあります。金額としても、高額となることがありますし、一括では払えず、分割払いとなることも多いです。
そうなると、公正証書を作成できれば、不払いのときには、公正証書を根拠として、強制執行が可能となります。また、支払う者としては、強制執行をされたくはないので、支払いが心理的に強制されることにもなります。
財産分与として、金銭の支払いがある場合にも、公正証書が利用されます。
離婚に際しては、不貞行為や暴力などを原因として、慰謝料の支払いの約束がされることがあります。慰謝料の支払いも、高額となることがありますし、分割払いとなることも多いです。そこで、財産分与と同様に、慰謝料の支払いの約束がある場合にも、公正証書が利用されます。
4.年金分割
以上とは、場面が違いますが、年金分割をするときにも、公正証書を作成しておくことがあります。
年金分割についても、公正証書を作成しておくと手続きの時に便利なのです。
合意分割を年金事務所等に請求する方法には、協議離婚の場合には、大きく分けて2つの方法があると思ってください。
第1は、ご夫婦2人が揃って、年金事務所等に行って、手続きをする方法です。写真付の身分証明書によって、本人確認がされます。
第2は、公正証書で、分割する割合を定めて、手続きをする方法です。本人確認は、公証役場で、公正証書を作成する時にされています。
この2つの方法の違いは、公正証書により手続きをする場合には、ご夫婦の一方(主に、奥さんでしょう。)だけで、年金事務所等へ行って手続きをすることが出来ることです。これには、大きなメリットがあります。
以下に、少し詳しく書きましょう。
年金分割の手続きをする時期は、離婚に伴う戸籍の手続きが終わり、新しい戸籍が出来た後になります(離婚していることを戸籍で証明する必要がありますから)。
ですから、離婚届を提出してから、年金分割の手続きまで、間隔が空くことになるのです。離婚届を提出して、時間が経った後で、離婚したご夫婦が揃って年金事務所等に行くというのは、難しいこともあるかも知れません。
だとすれば、養育費や財産分与等について公正証書を作成するのであれば、年金分割についても公正証書で定めておく方が、年金分割の手続きもしやすくなるでしょう。
このような事情から、年金分割について、公正証書で定める場合も多いのです。
離婚公正証書の作成 行政書士のサポート内容をご紹介
行政書士として離婚公正証書を作成するお手伝いをしていますが、ご依頼者から「公正証書ができるまでの流れはどうなりますか?」というご質問をよくお受けします。
そこで、行政書士がサポートして離婚公正証書ができるまでを、ケース毎に手続きの流れに沿って、ご説明してみました。
◆ご夫婦が公証役場で同席して公正証書を作るケース
◆行政書士が公証役場の代理人となるケースをご紹介
◆ご夫婦の一方が海外に居て、公正証書を作るケースをご紹介
(公証役場へ行くと良く見かけるポスターです。「未来への約束を、公正証書が守ります。 遺言・任意後見・信託・各種契約」という言葉は、公正証書が果たす役割り・機能を言い表しています。新橋公証役場にて)
協議離婚、公正証書 よくある疑問・悩み
離婚、公正証書等について、依頼者や相談者から寄せられる、よくある疑問・悩みについて、お答えしています。
詳しくは、下のバナーからどうぞ。
当事務所のサービス
当事務所は、特に、離婚協議書の作成や、離婚の公正証書を作成したい方のサポートを得意としています(離婚公正証書の作成サポート)。 依頼者とタッグを組んで、公正証書などの書類作成を実現します。
まずは、お電話でのご相談からお始めくださいませ。電話相談は、無料で対応させて頂いております。
【 行政書士 瓜生和彦 のメリット 依頼者の感想から 】
◆離婚、遺言、事実婚、任意後見契約などの公正証書を作成したい方のサポートが得意
◆気さくな人柄で依頼者とタッグを組んで、公正証書などの書類作成を実現
◆公正証書作成の経験が豊富。経験を武器に、依頼者をサポート
◆丁寧な手続きの進め方、迅速かつ穏便な対応
◆フットワークが軽く、都内全域の依頼者に対応
【公正証書作成・ご相談・サポートコース】
離婚協議書を公正証書にしたい場合に、面談・電話・メールでのご相談、公正証書の原案作成、公証人との打ち合わせ、公正証書作成の代理嘱託をサポートするコースです。基準となる報酬額は、60,000円(消費税別)です。
【代理人による離婚公正証書の作成・ご相談コース】
離婚の際の約束を公正証書にしたい場合に、面談・電話・メールでのご相談、公正証書の原案作成、公証人との打ち合わせ、公正証書作成の嘱託、そして、代理人としての公正証書の作成をするコースです。基準となる報酬額は、70,000円(消費税別)です。
離婚についての公正証書の作成をお考えなら、ご連絡は「今すぐ」
お客様の声
公正証書サポートサービスをご利用いただきました、お客様の声をご紹介させていただきます。
台東区在住HT様 (40代前半) 事実婚 公正証書作成
【お客様の声】
この度は、誠にありがとうございました。
漠然と不安であったものが、具体的になり、1つ1つ明確に解決へと導いて頂き、心より感謝致しております。
また、複雑かつ難解な手続きを、常に丁寧に解り易く説明頂きまして、お仕事に安心して、お任せする事ができました。
思っていたよりも、早くに色々な事を解決、手続きでき、本当に嬉しうございました。
ありがとうございました。
PS また、・・・のお店ででも、よろしくお願い致します。
東京都台東区在住 H.T
公証役場 紹介
今回ご紹介するのは、東京都渋谷区にある渋谷公証役場です。
渋谷公証役場には、公証人が4人、事務を担当する書記が10人いて、都内でも、大きな公証役場です。
実は、渋谷公証役場は、私が行政書士になって、初めて利用した公証役場でした。最近は利用する機会がありませんが、思い出のある公証役場と言ったところです。
もともと、渋谷という街は、あまり馴染みのない街でしたが(新宿の方が馴染みがありますね)、行政書士会館が渋谷から行きますので、少しずつ利用するようになり、JR渋谷駅にはちょくちょく行くようになりました。
そのJR渋谷駅ハチ公口から出て、公園通りを原宿の方へ向かうと、渋谷神南郵便局が入っているビルがあります。その8階に渋谷公証役場があります。駅から徒歩7~8分程度でしょうか・・・駅から少し距離がありますね。
エレベーターを降りると、写メのような落ち着いて、清潔感のある雰囲気です。
【渋谷公証役場】 渋谷区神南1-21-1 日本生命渋谷ビル8階 TEL03-3464-1717
渋谷公証役場のホームページ 詳細はこちら >>
(落ち着いて、清潔感のある渋谷公証役場の入り口です。)
ページ名 「どうして離婚で公正証書を作るのか?公正証書の作成サポートはお任せください。」
文責 行政書士による公正証書作成サポート・東京運営 東京都杉並区 行政書士 瓜生和彦
落ち込んだり泣いたりと、離婚は感情が変化すると
思いますので、なんでもご相談くださいませ。
よくある質問 相談について
離婚、公正証書についてよくある質問についてご紹介いたします。
離婚することを決めましたが、夫婦ともに働いていて忙しいので、公正証書を作るためにあまり時間を割くことが出来ません。そのため、公証役場へ行く回数も最低限にしたいと思っています。 公正証書を作成するサポートをお願いすると、依頼者は公正証書に署名押印する日だけ公証役場へ行けばいいのでしょうか? |
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はい。依頼者の方は、公正証書への署名押印の日だけ公証役場へ行っていただければ、公正証書を作ることができます。
【公正証書ができるまでの流れを簡単に記載すると、以下のようになります。】 私は、依頼者の方と連絡を取りながら公正証書の内容を考えますが、その内容が決まると、私が公証役場と連絡を取ります。 公正証書の内容については、公証役場や公証人と、何回か連絡をとることも多いですが、その連絡も私が行います。そして、公証人が公正証書の案文を作成すると、私に送って下さいますから、それをご夫婦で確認していただき、内容に問題がなければ公正証書の内容が決まります。 その後、ご夫婦で日程の調整をしていただいて、公証役場へ予約を入れ、当日、公証役場で署名押印をして公正証書が完成します。
依頼者の方は、公正証書の内容を決めるために私と連絡をとる必要がありますが、公証役場との関係は、連絡を含め全てを私が処理し、依頼者の方は、最後の署名押印の日に、公証役場へ来ていただければ、公正証書を作ることができます。もちろん、公証役場へ行くときには、私も一緒に行き、公正証書の完成を見届けます。 |
離婚では、公正証書を作るときに、各自治体から補助があるようですが、どのような制度ですか? |
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公正証書を作るときには、公証役場に手数料を払う必要があります。この手数料は、養育費の支払い、財産分与、慰謝料などについて、それぞれ計算され、合計額が公証役場へ支払う手数料となります。 各自治体から補助があるのは、このうち、養育費の支払いに関する部分の手数料で、公正証書で養育費を受け取る方が公証役場への手数料を負担した場合に、上限はありますが、各自治体から補助があります。比較的新しい制度ですが、急速に広まり、おそらくほとんどの自治体に、補助・援助の制度があるかと思います。養育費の支払いを含む公正証書の作成をお考えであれば、お住まいの自治体で調べて見てください。 例えば、東京都練馬区での費用助成は、次のようになっています。
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離婚の公正証書を作った時には、「送達」をしておいた方がいいのでしょうか? |
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公正証書で強制執行するためには、強制執行を開始する前に、公正証書の謄本(コピー)を債務者(養育費や慰謝料を支払う方)へ送る必要があります(これを、「送達」と言い、公証人が送ります)。「この約束を忘れていませんか?」と通知するためで、最後通牒のようなものです。
ただ、公正証書の場合には、特殊な対応が認められています。つまり、公正証書を作る時に、債務者が公証役場に来るのであれば、その場で、債務者へ謄本を渡して、受取を作ることで、この送達を終わらせることができます。これを、「交付送達(または、公証人送達)」と言います。 公証役場の実務では、交付送達が行われのが、通常だと思います。特に、離婚で、養育費の支払いが約束される場合には、養育費の支払い期間が長くなり、債務者の住所などが分からなくなる恐れもありますから、公正証書を作った時に、「交付送達」をしておくことをお勧めします。 |
ご相談などございましたら、ぜひ瓜生(うりゅう)までご連絡くださいませ。